平成ライダーのおもちゃ展開について考えたこと
バリバリの平成ライダー世代でずっと仮面ライダー見てきて
今のライダーのベルト買うには、朝から並んで整理券もらわないと買えないとか
転売されて1万円を超える値段で取引されててサンタさんが苦労してるとか
最近のベルトの売れ方すごいなぁって思ってたんですが
玩具市場3年ぶり拡大、仮面ライダーなどヒット
なんで最近になって急にこんなことになってきたのか気になったのでずっと考えてたことを書いてみます。
理由はいろいろあると思ってて
例えば、イケメンが出ててお母さんたちも見てるとか
映画に昭和ライダー出したりして、お父さんにもアプローチしてるとか
いろんなレイヤーで考えることはできるけど
今回はおもちゃに特化して考えてみた。
結論からいうと
このおもちゃの大ヒットの背景には、今までのライダー玩具ノウハウがかなり効いていて
具体的に言うと
- しゃべる
- コレクションできる
- 子供が触ったらダメよシリーズ
- 自律行動するサポートメカ
の4つのノウハウが大きいと思ってます。
ライダーの歴史
- 平均視聴率:9.7%
- おもちゃ売上:118億円
2000年開始の初の平成ライダーです。
オダジョーが主演で平成ライダー唯一の一人で戦い抜いたライダー。
このころのベルトはまだ「仮面ライダー」っていう感じ。
- 平均視聴率:11.7%
- おもちゃ売上:94億円
4人のライダーが登場したアギト。
人工ライダーのG3が登場。
注目すべきはG3-XのメインウェポンGX-05
シリーズで初めてしゃべるおもちゃが発売される。
GX-05ロック解除.MP4
- 平均視聴率:9.4%
- おもちゃ売上:139億円
13人(+1人)のライダーが登場。
13人のライダーによるバトルロイヤルが展開される。
カードを使ったバトルシステムが採用され
各ライダーが持ってるしゃべるカードスキャナーがおもちゃで発売されました。
仮面ライダー龍騎 ファイナルベント
- 平均視聴率:9.3%
- おもちゃ売上:120億円
子供がなかなか触らせてもらえない携帯電話が変身アイテムとして採用される。
もちろんしゃべる。
そして555のベルトは死ぬほど売れる(50万個)
あまりの売れ行きと需要に
大人仕様のプレミア価格ベルトが初めて発売されるなど異例の人気でした。
Mobile for KIDS番外編:大人をも魅了し続ける“ベルトの力” - ITmedia Mobile
- 平均視聴率:7.9%
- おもちゃ売上:79億円
龍騎以来のカードを使ったライダー。
正確にはトランプ。
ベルトもカードスキャナーの武器も両方しゃべる。
- 平均視聴率:8.2%
- おもちゃ売上:65億円(歴代最低)
太鼓やラッパで敵を倒すライダー。
劇中で仮面ライダーという単語が一回も出てこない (劇中で"鬼"と呼ばれています)
鍛えれば誰にでも鬼になるチャンスがある素晴らしいシステム。
ディスクアニマルというサポートメカが多数登場 (この年のグッドデザイン賞を受賞)
ただベルトギミックが皆無なうえ、中間フォームがまさかのカラーチェンジと
おもちゃを売る気が全くなかったため、おもちゃ売上は歴代最低。
- 平均視聴率:7.7%
- おもちゃ売上:71億円
水嶋ヒロのライダーです。
変身アイテムがカブトムシ。もちろんしゃべる。
キャストオフとクロックアップがめっちゃかっこいい。
- 平均視聴率:6.9%
- おもちゃ売上:115億円
佐藤健のライダー。
Suicaとかが出てきたからか、ベルトがパスタッチ式になる。
タッチするとベルトはしゃべる。
ついに敵が巨大化し、その敵とは電車で戦う。
あと豪華声優陣によるキャラ展開がすごい。
- 平均視聴率:6.2%
- おもちゃ売上:85億円
もうベルトががっつり生きている(コウモリ)
巨大化した敵とドラゴンを操って戦う。たまに自分も不死鳥っぽくなってそのまま戦う。
- 平均視聴率:8.0%
- おもちゃ売上:175億円 (今作から放送時期と決算がずれたため2作含んだ金額。ディケイド/W)
平成ライダー10周年作品。半年間のみの放送。
平成ライダー誰にでも変身できるチート仕様。
カードを使って戦うシステム。ベルトがしゃべる
タッチパネルを用いたアイテムが登場(ちょうどスマフォ普及期)
- 平均視聴率:10.2%
- おもちゃ売上:230億円(W/オーズ)
ベルトバカ売れ。(54万個)
変身アイテムに子供が触らせてもらえないUSBメモリが採用sれる。
USBメモリは6種類ある
メモリガジェットと呼ばれるサポートメカがいっぱい出てくる。
確かこの辺から並ばないとベルトが買えなくなる
仮面ライダーオーズ
- 平均視聴率:8.0%
- おもちゃ売上:283億円(オーズ/フォーゼ)
ベルトがやばいくらい売れる(70万個)
もうベルトがしゃべるどころか歌う
子供が触らせてもらえないお金モチーフのメダルが変身アイテム。コアメダルだけで24種類。
メダルの発行枚数がその年の1円玉の発行枚数を超えたらしい。
カンドロイドと呼ばれるサポートメカが自販機から出てくる。
仮面ライダーオーズ 玩具CM集
仮面ライダーフォーゼ
- 平均視聴率:5.9%
- おもちゃ売上:283億円(オーズ/フォーゼ)
ベルトがさらにやばいくらい売れる(75万個)
子供が触らせてもらえないスイッチが変身アイテム。
スイッチは40種類ある。若干やり過ぎ感ある。
フードロイドと呼ばれるサポートメカが多数。でも劇中の印象弱い。
仮面ライダーウィザード
- 現在放映中
おそらくベルトの売上はフォーゼドライバーを超える
ベルトがしゃべるし歌う(♪シャバドゥビタッチヘンシーン)
放映開始前からシャバドゥビタッチヘンシーンが独り歩きしまくってた。
子供が触らせてもらえない指輪が変身アイテム
使い魔と呼ばれるサポートメカが多数
DX ウィザードライバー CM
CMの時点でやばい
視聴率と売上の比較グラフ
視聴率と売上グラフにしてみたらおもしろいかなーと思ってつくったけど
それほど相関関係は無さそう。
ディケイド以降の売上の伸びが異常ですね。
仮面ライダー歴代変身ベルトCM 1号からウィザードまで
貴重なCM集
シリーズの展開
全体の流れとして
クウガ~555まで高水準だった売上や視聴率が一転
剣、響鬼あたりから低迷しはじめます。
龍騎でカードシステムを導入しコレクションの概念を取り入れ
555のベルトで大当たりしたのですが
新しい要素が出てこなかった剣
そしてそもそも全然仮面ライダーじゃない上に、恐ろしいほどおもちゃを売る気がなかった響鬼(ただし話はめちゃくちゃおもしろい)
クロックアップとかすげーかっこいいんだけどベルト以外にピンとくるおもちゃがなかったカブト
しかしそこをバネに、全ライダー登場でお祭り騒ぎのディケイドで回復を見せます。
実はディケイドを境に平成ライダーも1つの節目を迎えたということで
放送開始時期が少しズレるなど、変化がありました。
W以降はベルトを含むおもちゃがバカ売れ。
現在放映中のウィザードまでその流れは継続中です。
なぜこんなにおもちゃが売れてるのか
ここからはW以降のバカ売れ状態のおもちゃに注目してみます。
結論としては冒頭に書いたように
「今までのノウハウが効いてきた」
というところに集約されると思います。
- しゃべる
アギトのGX-05以降、響鬼を除く全てのシリーズのおもちゃがしゃべる。最近は歌う。
傾向としては英語っぽい機械音声チックなものから
おもっきりしゃべったり歌ったりしてる方向へシフトしてきてる。
昔は音が出るだけだったけど、これなら子供が口でマネできるからより楽しい。
- コレクションできる
龍騎のベントカード以降、剣のラウズカードやWのガイアメモリ、オーズのオーメダル、フォーゼのアストロスイッチ、ウィザードの指輪
W以降の作品で顕著。
並行してガンバライド(ムシキング的なやつ)もやってるからコレクション性が強くてえぐい。
- 子供が触ったらダメよシリーズ
555のファイズギア以降、Wのガイアメモリ、オーズのオーメダル、フォーゼのアストロスイッチ、ウィザードの指輪
こちらもW以降の作品で顕著。
これは自分の子供のころ思い出すとすんごい納得。
身近にあるのにやたらレア感あった。
- 自律行動するサポートメカ
響鬼のディスクアニマル以降、Wのメモリガジェット、オーズのカンドロイド、フォーゼのフードロイド、ウィザードの使い魔
同じくW以降の作品で顕著。
ベルトは高いから買ってもらえないけど、このへんのやつは2000円強の値段設定なので
月一くらいで買ってもらってる子供多そう。
このように歴代ライダーで良かった点を吸収してきたのが
Wあたりで爆発してる印象です。
子供心にGX-05のロック解除シーンなんかすんげー刺さったし(1,3,2 ピー カイジョシマス)
龍騎のファイナルベントは小6の時、男子みんな知ってたし
サイクロン!ジョーカー!とかタ・ト・バ!とかシャバドゥビタッチヘンシーン死ぬほど話題になってるし
オーメダルとかアストロスイッチとか持ってる子は必ず複数もってるし、俺も欲しいし、ガチャガチャすぐなくなるし
携帯もUSBメモリもお金もスイッチも指輪も、なかなかお父さんお母さん触らせてくれないから余計に欲しくなる。
実は"子供が触ったらダメよシリーズ"はMOVIE大戦アルティメイタムの公式ガイドブックの中の記事
ライダーベルト開発秘話インタビューでも言及されてて、すんごい納得したので今回の記事を書いてみました。
ゴーカイジャーのレンジャーキーもこの考えに当てはまる。
この記事、効果音が出る玩具の話でジュウレンジャーの獣奏剣に言及したり
どう考えてベルト作ってるのか。みたいなことが書かれててめっちゃおもしろいです。
仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム 公式ガイドブック (ハイパームック)
- 作者: ハイパーホビー編集部
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/12/08
- メディア: 大型本
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まとめと今後の展開
ディケイドあたりからベルトギミックと音声の予想の斜め上をいってる感半端無くて
オーズのタトバが限界かなと思ったけど、ウィザードのシャバドゥビタッチヘンシーンでそれ超えてきたり
ぶっ飛んでる感じがめちゃくちゃ好きで毎年楽しみです。
好きすぎてこんなアプリ作ったりしてます。
ウィザードライバーを作った - takanamitoのブログ
今後のベルトでも
- 光る
- しゃべる
みたいな傾向は続くと思うけど
"できることベース"でいくと
- 赤外線やWi-Fiで通信
- 振動する
とかは全然ありそう。
"してほしいことベース"でいくと
- ホログラム
ウィザードライバーから紋章のホログラム出る的な。
こんなの実現されたら激アツだなーと夢見てます。
ビースト出てきたばっかりだけど、次のライダーのベルトどうなってるのかすんごい楽しみだし
どうやらスーパー戦隊の次のシリーズ、「獣電戦隊キョウリュウジャー」では
サンバで変身するとか言ってて、もうわけわかんなくて超楽しみです。
バンダイの開発チームの人たち、大変だと思うけど応援してます。